近況(ご無沙汰しすぎ)

2017年2月12日
近況(ご無沙汰しすぎ)

だいぶご無沙汰していて、すみません。本人は至って健康で、年相応に(成長曲線がピークを過ぎている)いかに現状を維持していくかということに腐心する毎日です。プロスポーツ選手も、ベテランになるとウオーミングアップのため年取れば取るほど競技会場に入る時刻が早くなるという話を聞いたことありますが、まさに今の私はそんな感じです。一日の時間は限られているのに、ウオーミングアップのための時間をかなり割かないと、それなりのレベルを維持できないというのが若かった頃との一番の違いですね。
で、この写真はまもなく終了の三浦ダイコンです。これは三浦市農協の育成品種「農協中葉」です。透き通るような肌と、暮れの主力だった「黒崎三浦」より栽培管理と収穫に気を使う品種です。現在ほとんどの野菜生産者は、栽培品種がF1と呼ばれる品種を栽培しています(栄養繁殖が行われるものはこの限りではありません)。それは栽培管理の面でロスが少なく限られた面積から最大の収量を得るために現在最も効率的な方法です。世間では固定品種というものがいかに正しい姿と喧伝する向きもあり、ネット上では突っ込みどころ満載のめまいするようなことが目につきます。現在それぞれ分業が進んでいて、品種改良や採種の世界もプロの領域になっています。育種親になる各品種の系統維持や、採種効率を高めるために雄性不稔の形質を取り込んで採種親に仕立てるための技術など取りたてて特別なことではありませんが、一つ一つ確実にていねいに行われています。(ネットで検索するといい加減な情報が上位に出てきてしまうので、遺伝学や育種学の教科書を読んだ方が正しく理解できます。)

農業は自然界で行う産業ですが、勘違いされやすいのですが畑は自然ではありません(耕地生態系は森林生態系や草地生態系とは別のものです。畑は作付のたび耕耘(「こううん」はこの字です。耕運は誤り)によって遷移(successionの方、生態学の場合transitionは使わない)を絶えずリセットしてしまうので。長きにわたり野生植物から栽培化して作物となり、現在に至っています。農業は適切な管理をすれば環境への影響をかなり小さくできるため、野放図に耕地を増やさず限られた耕地で効率的に生産することが求められています。そのひとつが現在の育種技術やF1品種です。また、F1品種は知的財産でもあるため、育成者の権利の保護のためにも有効です。たとえが乱暴ですが、固定種は借りてきた本をコピーするように、技術があれば連続して採種し、自分で継代して繁殖ができます。
生産者にとっての固定種は、文化財のようなものです。国のジーンバンクや種苗メーカーが育種親として保存と維持して、そのときの市場から求められる品種を作り出すための素材として将来にわたって欠けることなく次世代に引き継がなくてはいけないものです。
趣味の領域になりますが、わざわざ固定種を買わなくても現在栽培している品種を開花結実させると、ブラシカやダイコン属の場合自家不和合性という性質のためいくらでもほかの個体と交雑していろいろな雑種ができます。これらを採種して播種し、形質を見極めて分離して採種して注意深く継代すればそれなりの品種ができます。あまり純化すると弱くなるので、いい加減(よい加減)で維持すれば栽培しやすく、場合によっては美味しいものもできるかもしれません。でも、自分でやるとわかりますが、手間暇かかるので種苗メーカーの品種を買った方が安いです。作り上げる手間を考えると種子はとても安いものです。

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今年は例年よりもカワヅザクラの開花が早いです。それにともない桜を愛でる善男善女がおいでになります。これは朝のうちなのでまだ少ないです。

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これは昨日の夕方で、まだまだお客様がいらっしゃいます。この数時間前は交通整理員のかたが二名で誘導してくれましたが、車道が三分の二くらい人であふれていて通行に支障を来しました。まるで歩行者天国を走る車のようで、居心地が悪かったです。この先あと一月近くこの状態が続くので、お客様に来て頂くのはありがたいですが、事故のないよう気をつけて通行したいと思います。